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米国株投資家なら絶対注目しているであろうアマリン社ですが、3/30にバスセパの特許訴訟で敗訴となり株価は1日で−70%という大暴落となりました。

前日終値は13.58ドルでしたがそこから7割引の4ドルで取引を終えました。

私はアマリンが特許訴訟に勝つものと思い資産の10%ほどで購入していたので一撃−7%というダメージを受けました。

治験ギャンブルならぬ訴訟ギャンブルですが敢え無く敗退です。

全く話が見えてこない人も多いと思うので、すごくざっくりとですが説明してみたいと思います。


アマリンはバスセパという高純度EPA製剤を販売しています。

EPAはよくサプリメントでも売られているフィッシュオイルに含まれており、"DHA○mg、EPA○mg"みたいな感じで売られているのを見たことがある人も多いと思います。

元々、この高純度EPA製剤は日本の持田製薬がアマリンに導出したもので、日本の権利は持田が、米国含むその他の地域の権利はアマリンが保持しています。

アマリンはバスセパ一本で勝負していますが、時価総額は一時90億ドルを超えていたんですよね…

このバスセパは大規模な臨床試験を行い、トリグリセリドを低下させ心血管疾患による死亡率を25%も下げるという驚異的な結果をもたらし、FDAに承認される運びとなりました。

スタチン(血液中のコレステロールを下げる薬)を使用し、中性脂肪が150mg/dl以上で心血管疾患を患っている人が対象となるのですが、米国だけで1,000万人以上いると言われています。

そのため、バスセパはスーパーブロックバスターのリピトール(スタチン)と同じくらい売れるのではないかということで非常に注目されていました。

リピトールはピーク時には1年間で100億ドル以上(1兆円以上)売れたスーパーブロックバスターであり、バスセパは「今後世界で一番売れる薬になる」などと呼ばれたのです。

実際にバスセパの売上は右肩上がりでした。
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「100億ドル売れるとか言う割には伸びがいまいちじゃないか」と思われるかもですが、昨年FDAに適応範囲拡大を承認されて今後、売上が拡大していく予定でした。

アマリンは2020年には7億ドル、2021年には10億ドル以上の売上を予想しており、さらに今年の末頃にはEUへの承認申請を予定し中国での臨床試験終了予定など材料目白押しの状態でした。

しかも、アマリンのこの予想はかなりコンサバなもので実際はもっと売れるだろうという予想が多かったです。


そこに待ったをかけたのがテバ、Hikma、DRDの3社でした。

この3社はバスセパのジェネリックを発売しようとFDAに新薬承認申請を行ったのですが、当然アマリン側は特許侵害を主張し訴訟に発展しました。

バスセパの米国での特許は2030年まで有効ですが、「EPAがトリグリセリドを低下させる効果があるのは自明であるためアマリンの特許は無効である」というのが3社の主張です。

ここで少しややこしい事態が発生するのですが、この訴訟は前述した大規模な臨床試験が成功する前に行われたものなのです。

臨床試験の結果、EPAが心血管疾患による死亡率を低下させることが判明しましたが、3社は心血管疾患リスクの低減ではなく、あくまでEPAがトリグリセリドを低下させる効果があるのは自明であると主張したのです。

仮に3社の主張が通ってしまいジェネリック薬が発売されてしまった場合は、安価なジェネリックが適応外処方としてバスセパの代わりに処方されてしまうことは明らかであり、アマリンはそれを防ぐことができないためこの訴訟には何としても勝ちたいところでした。

EPAを医薬品として使うのは初めてではなく、以前からDHAとEPAが含まれたLovasaなどの医薬品が血中のトリグリセリドを減らす目的で使用されていましたが、DHAは悪玉コレステロールであるLDLコレステロールを増加させるというデメリットがあることがわかってきたのです。

「じゃあ、DHAを取り除いてEPAだけにすればLDLコレステロールを上げずにトリグリセリドだけ減らせるんじゃないの?」
となったのですがDHAだけを取り除くのがかなり難しいらしく、これまでEPAのみの製剤は発売されていませんでした。

しかし、理屈的にはEPAがトリグリセリドを低下させることができるのは自明であるためアマリンの特許は無効であるとジェネリック会社達は主張したのです。

テバとは和解をし2029年8月からジェネリックを発売しても良いとなりましたが、Hikma、DRDとは争いが続いていました。

そして、3月30日に「EPAがトリグリセリドを低下させる効果があるのは自明である」というHikma、DRDの主張が通りアマリンの敗訴となってしまったのです。

今後、アマリンに希望が全くないのかというと必ずしもそういうわけでは無さそうです。

EUで承認された場合は独占期間が10年ほどあり、現地のメガファーマと組んで発売することになると予想されているのでかなりのロイヤリティやマイルストンが期待できます。

アメリカ以外でも20億ドル程度の売上は期待できるとのことです。

しかし、私は昨日損切りしました(泣)

元々この訴訟で勝てばコロナショックで株価が下がっていたこともあり、買値(13ドル)から40〜50%程度は上がると見込んで短期決戦のつもりで買っていたので敗訴となった以上大人しく撤退です。

この結果はかなり衝撃的ですが、購入を資産の10%程度にとどめていたことについては以前より成長したのかなと思います。

これで今年の戦績は2勝2敗となったのですが、気が向いたら他の株の話も書いてみたいと思います。

さて、4月にも勝負銘柄があるので今度はそちらに注目したいですね。