お金があるときに買った高い本、ナシーム・タレブの著書「まぐれ」、「反脆弱性 上・下」についての書評です。

まだ読んだことのない方がいたら参考になると思います。


まず初めに、3冊も買う必要はありません。

もし、興味があるのなら「まぐれ」だけで事足ります。(タレブの書く文章が好きだという方は別ですが)

タレブ氏は屑プットを買って暴落を待つ戦略で大儲けしたらしい人物です。

タレブ氏が一躍有名になったのはリーマンショック時のことで、歴史的大暴落により多くのトレーダーや証券会社が消えましたが屑プットを仕込んでいたタレブ氏は逆に大儲けしたのです。

屑プットを買うというと難しく感じますが原理はかなり単純です。

プットを買うというのは"その値段で売る権利を買う"ということです。

これは株と同じくプットを売ってくれる人がいることで売買が成立します。

そして屑プットとは現在の価格から非常に遠いところの権利を買うということ。

例えば日経平均が20,000円としたとき、15,000円で空売りする権利を買うみたいな感じです。

この権利には期限があって残り時間が短いほど価格も安くなります。

15,000円で空売りする権利の期限があと1週間しかないとします。

1週間で日経平均が25%も下落するなんて普通では考えにくいですよね。

なので現在地から遠くて期限も短いオプションは1円とか2円とかものすごく安く取引されています。


ちなみにほとんどの屑オプションは利益となりません。(なので屑扱いされているのですが)

日経平均が20,000円のとき、15,000円で空売りする権利を購入しても15,000円未満にならなければ権利を行使する意味はなく、通常短期間でそこまで下落することもほとんど無いためそのまま期限切れとなり、無価値になってしまうのです。
(実際は15,000未満にならなくとも急落が起こればIVやデルタの変化で数十倍、数百倍になることもあります)

ほとんど利益になることはありませんが、一度、○○ショックと言われるような事態が発生し信じられない暴落が来ると一気に数百倍や1千倍になる可能性もあるのです。

私はオプションについて非常に簡単な知識しかありませんが、最低限、上記の内容を理解していないとタレブ本を買ってもついていけないかもしれません。
(文中に非常に簡単は説明はあったような気もしますが)


内容は

「屑プットやそれに近いものを買え」

と延々述べているだけです。

途中、レバノン(タレブの出身地)は凄いぞ、レバノンに住んでいる人も凄いぞ、昔の人は凄いぞとか言ってたりもします。

あんな内戦だらけのとこのどこが凄いのか個人的には全く理解できませんが、タレブ曰く、何度戦争があって破壊されても以前より素晴らしい形で復活するところが凄いらしいです。(大体の地域はそうでしょと思わなくもないですが…)

基本的には屑プットのような「損失限定、利益は無限大」となる商品を資産の極小さい割合で買え、また人生においてもそういう戦略を取れという話に終始していて具体的なオプションの戦略(どのくらい離れたプットを買っているのかやオプションの詳しい話等)はなく、概念的な話ばかりでした。

暴落はいつか必ず来るが、それがいつ来るかはわからない。

ので、何度負け続けても破綻しないポジションサイズで屑プット的なもの(損失は限定、利益は無限大)を買うのが良いっていう話を神話等色んなことに例えて延々と書き連ねています。
(私は破綻してしまいましたが、実際なってみるまではわからないものですね)

タレブは資産の98%を無リスク資産(米国の短期国債)、2%をプット買いにあてるという戦略のようです。

とにかくオプションの知識がない人が読んでも半分くらいしか理解できないんじゃないかと思うのと、自分自身や民族の自慢話的な要素が多くて(よほど日本の方が優れているように思いますが…)途中から辟易してくるのでどうしても読みたいって人は「まぐれ」だけ買えば良いと思いますよ。